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今シーズンのF1は面白いのに

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地上波中継ないのですね。何て言うか残念としか言いようがありません。レースを最後の最後まで予測不能にしているのは言うまでもなくピレリタイアの功績なのですが、各チームちょっとナーバスになり過ぎていると思います。F1のレースで大事なのは大原則トラックポジションです。チーム関係者もフジの解説もトラックポジションをあまりに軽視しているように感じてしまいます。例えばバーレーンGPのライコネンです。タイヤ温存で12番手スタートした結果、優勝まであと 一歩の2位でした。これが作戦成功と考えている人が多いようですがそれは間違いだと思います。何故ならライコネンがあれだけスタートを決めてあれだけスムーズにオーバーテイクしても、先頭からしっかり離されているからです。その代わりに得られるメリットはちょっと新しいタイヤが1セットだけです。ライコネンがグロージャンと同じ戦術を取っていれば勝てていたのではないでしょうか。

一方、スペインGPはハード側(プライム)がメインでしたのでタイヤ温存という概念はほとんどありませんでした。しかし、終盤のタイヤ戦術の違いは非常に興味深かったです。マルドナードの勝因はアンダーカットしてアロンソを抜いた事、アロンソは2回目のピットをなるべくマルドナードと合わせるべきだったというのが大半の見方です。もちろんそれも正しいのですが、私は違った見方をしています。アロンソはピットタイミングをもっと遅らすべきだったと思います。
ラップタイムだけで判断するとマルドナードのピットタイミングは早すぎますし、ライコネンのピットタイミングは遅すぎました。アロンソの戦術が理論上の最速だったはずです。それでもアロンソはコース上でマルドナードを抜けなかったので2位に終わりました。カタロニアはホームストレートでDRSを使っても抜きにくいサーキットです。だからトラックポジションを重視したマルドナードの戦術は正解だと言えます。しかし、カムイがバトンやロズベルクを抜いたようにKERSを使って別の区間で抜くことは今のF1なら可能です。そのためには常識的に考えて1秒以上のラップタイム差が必要となります。
 フェラーリは「マルドナードのアンダーカットはレース終盤の失速につながるので彼の仕掛けには対応しない」と考えたならコース上で抜く事を想定してアロンソをもっと遅く入れるべきでした。そうしたらマルドナードに追いつくのはファイナルラップ目前となりますが、レース終盤のライコネンの走りような切れ味でマルドナードを料理出来たはずです。
 そのライコネンは競馬で言えば武豊騎手ヨロシクのため殺し。上がり32秒台の鬼脚を使ってもその位置取りでは・・・といった感じです。ピットの無線の内容を聞く限り、戦術担当の判断ミスだったようですが、結果論からすれば最終ピットに入るのが1~2周遅かっただけです。そこまで悪い戦術ではありませんでした。
リスクとリターンを考えればマルドナードに抜かれるまではコース上にとどまって正解です。この場合のリスクと言うのはピットに遅く入る事で失うトラックポジションです。あの場合はリスクが0に近かったわけです。リターンはマルドナードを遅く走らせる事が出来るのと、もしSCが出るとどう転んでもライコネンが有利となります。そういった所まで考えると今シーズンのF1はとても面白いのですが、フジの中継では上手に伝わってないので残念です。

 ただ川井ちゃんの「シューマッハとセナが接触したのは93年キャラミ以来」という余計過ぎる情報には感心しました。絶対去年の開幕前から準備してたでしょ。93年キャラミも大した接触ではなかったのに、探すの大変だったと思います。といったように今回のスペインGPでは昔話が多く出てましたが、一番驚いたのはフランクウイリアムズがまだ70歳だったということです。話に出た93年キャラミの次のブラジルGPではフランク・ウイリアムズの心拍数が表示される演出がありました。子供心に「おじいさんを馬鹿にするのはけしからん」と思ったのですが、当時まだ50歳だったのですね。失礼しました。

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