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NASCAR2013シーズン開幕直前

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シーズンプレビューではなく、ネーションワイドで起こった事故の話。日本のヤフーニュースで初めてNASCARの話題を目にしました。おそらく本当に初めてだと思います。最初は「デイトナ500の結果か」と思って、一瞬目を逸らせましたが、よく考えたらデイトナ500はこれからです。前日のネーションワイドで観客が大怪我をしたというニュースでした。クラッシュ自体はNASCARではよくあるものなので、特に語ることはないです。しかし、観客の安全性について語る必要があると思いました。デイトナ500の開幕直前ですが、長々と語ります。

まずこの事故の最大の問題点は、マシンのパーツがキャッチフェンスを飛び越えているという事です。おそらく重体になった方はあのパーツに当たった人だと思います。あの高さとあの角度で設置されているフェンスを乗り越えられたら、世界中どのサーキット(オーバル)でも危ないという事になります。それくらいありえない出来事が起きました。しかし、NASCARでは2009年のタラデガで同じような事故が起きています。その事故を受けてタラデガのキャッチフェンスの高さを上げました。タラデガで起きる事故はデイトナでも起こりうる事故です。2009年時にデイトナのキャッチフェンスも見なおしていなかったなら反省が必要です。
ちなみにこの事故は先程も言ったように世界中のサーキットで起こりうる事です。特に危険なのは過去何度も指摘していますが鈴鹿サーキットです。鈴鹿は50年以上前に出来たサーキットです。当時はホームストレートエンドと西ストレートエンドに観客席を設置せずにエスケープゾーンを作ればそれでよかったわけです。しかし、マシンの性能の発達によりハードブレーキングポイントは年々変化しています。今現在のハードブレーキングポイントである2コーナーと最終シケインの先には観客席が存在します。オーバルと違ってエスケープゾーンが広いから大丈夫と思うかもしれませんが、そうではありません。1996年鈴鹿のジャック・ビルヌーブの事故シーンの動画がありました。
http://www.youtube.com/watch?v=Wuml4Yf0kHg
この当時と比べてキャッチフェンスの高さは改善されましたが、エスケープゾーンはアスファルトですし、ジャンプ台となったタイヤバリアもまだ存在します。2013年に同じような事故が起これば、おそらくまたフェンスを飛び越すのではないでしょうか。ちなみに日本のF1ファンが忌み嫌うヘルマン・ティルケのデザインするサーキットはこの問題をきちんとクリアーしています。

話をNASCARに戻しまして、今度はキャッチフェンスを突き抜けたパーツの問題です。写真を見る限り、キャッチフェンスに求められる最低限の強度は確保されてましたので、超大惨事にはなりませんでした。しかし、金網を突破したパーツに当たって観客が怪我をしたわけです。これを防ぐにはF1やインディーで導入が検討されているキャノピーをフェンスにくっつけるか、最前列のシートを撤去するしかありません。そもそも最前列の観客の視界の確保のためにセーファーウォールの高さが低いわけですから、最前列のシートを撤去すればセーファーウォールのかさ上げも出来るはずです。

それと気になったのは、嘘か本当か判りませんがタイヤになぎ倒された観客がいるようです。写真を見る限りタイヤは遠くまで転がっていません。ひょっとしてフェンスの間近で観戦したいた客がいたのではないかと推測します。動画を見る限り、スタンド全体では数十人のファンがフェンス間際で観戦していました。そこでの観戦はもちろん原則禁止です。ちなみに事故があった地点に何人いたかは動画ではよく判りません。しかし、NASCARファンならまさかデイトナのファイナルラップにどういう事が起きるか想像出来ない人はいないと思います。ヨーロッパや日本のレースみやいに優勝を確信したドライバーがガッツポーズをしながらゆっくりチェッカーを受けるような光景ではありません。そこは戦場です。流れ弾の当たりやすい位置に自らの意志でいたのなら、それは主催者の問題ではなく自己責任です。

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